谷元 浩之CON-CANムービー・フェスティバルディレクター
メディア総合研究所が主催する日本初オンラインベース国際短編映画祭、「CON-CAN MOVIE FESTIVAL」も今年で早5年、京都インディーズ映画祭との共催として4回目を迎え、新たなステージに来ている。
只でさえ、「映画祭」という映像文化イベントの認知度が低い日本で、更にそれをインターネットで展開しているCON-CANは、輪をかけて一般の理解が得にくいと、運営をしている自らその発展の難しさを実感して来た。それは、単純に予算や人手が足りないからといった、ありがちな理由だけではないという事も分かって来た。
だが、ここに来て映画祭自らがコンテンツを制作/発信をするという一見型破りな企画が、自分達の想定を超えたクロスカルチャーな化学反応を起こしている。千駄ヶ谷の小さな片隅からネットを介して世界や京都と繋がったこの映画祭。2年前のそのコンペでグランプリを勝ち取ったフランス在住のチャーラ・ゼンジルジ監督とギヨーム・ジョヴァネッティ監督を日本に招待した際、3日間で脚本から撮影、そしてオフライン編集までの、超過密スケジュールで短編制作プロジェクトを実行した。言葉が通じ合わない中で生まれたこの作品は、日本人素人5名が出演する「SIX」という実験ドキュメンタリー作品として完成した。
それから1年以上経ったある日、「SIX」が、世界4大映画祭の一つ、スイスのロカルノ映画祭の短編コンペ部門に入選、ワールド・プレミア上映されるという連絡が入った。国際短編映画祭としての権威や認知度も未熟、ましてインターネットで開催しているたかだか数年の映画祭から発信された作品が、60年以上の歴史を持つヨーロッパの権威ある映画祭に入選した事が、初めは良く理解出来ずにいた。だが、それが現実となった時、黒船を初めて見た時と思えるような感動と衝撃を受けた。それは、映画祭が単なる映像作品の上映イベントではなく、地域の発展と映画をベースとした多様な芸術感性の国際交流の場である事、また、複合的な創造プラットフォームとしても運営/構成されている事、そして、それらはアメリカの基準では無く、欧州連合が中心となって形成されているという事に対する衝撃でもあった。
先日、ロッテルダム映画祭を始め、クレルモンフェラン、ベルリンと、主要なヨーロッパ映画祭を巡る機会に恵まれたが、それぞれに個性と質が良く出ており、特にデジタル化におけるライブラリーの付加価値や、ショートフィルムの多様性/可能性に改めて感動した。
今年、CON-CANは「京都メディア・アート・ラボ」の活動理念に共鳴し、一員として京都、東京、そして世界を結び、地域振興や地域の発展を根底に据えた新たな形での国際映画祭の開催を企画している。そして、「SIX」の2名の監督も今年の夏から京都の九条山をベースに制作を行う予定だ。ネット、映像、デジタル、教育、地域、をキーワードに、今年、京都で何かが起きるかも知れない…。
だが、ここに来て映画祭自らがコンテンツを制作/発信をするという一見型破りな企画が、自分達の想定を超えたクロスカルチャーな化学反応を起こしている。千駄ヶ谷の小さな片隅からネットを介して世界や京都と繋がったこの映画祭。2年前のそのコンペでグランプリを勝ち取ったフランス在住のチャーラ・ゼンジルジ監督とギヨーム・ジョヴァネッティ監督を日本に招待した際、3日間で脚本から撮影、そしてオフライン編集までの、超過密スケジュールで短編制作プロジェクトを実行した。言葉が通じ合わない中で生まれたこの作品は、日本人素人5名が出演する「SIX」という実験ドキュメンタリー作品として完成した。それから1年以上経ったある日、「SIX」が、世界4大映画祭の一つ、スイスのロカルノ映画祭の短編コンペ部門に入選、ワールド・プレミア上映されるという連絡が入った。
国際短編映画祭としての権威や認知度も未熟、ましてインターネットで開催しているたかだか数年の映画祭から発信された作品が、60年以上の歴史を持つヨーロッパの権威ある映画祭に入選した事が、初めは良く理解出来ずにいた。だが、それが現実となった時、黒船を初めて見た時と思えるような感動と衝撃を受けた。それは、映画祭が単なる映像作品の上映イベントではなく、地域の発展と映画をベースとした多様な芸術感性の国際交流の場である事、また、複合的な創造プラットフォームとしても運営/構成されている事、そして、それらはアメリカの基準では無く、欧州連合が中心となって形成されているという事に対する衝撃でもあった。
先日、ロッテルダム映画祭を始め、クレルモンフェラン、ベルリンと、主要なヨーロッパ映画祭を巡る機会に恵まれたが、それぞれに個性と質が良く出ており、特にデジタル化におけるライブラリーの付加価値や、ショートフィルムの多様性/可能性に改めて感動した。
今年、CON-CANは「京都メディア・アート・ラボ」の活動理念に共鳴し、一員として京都、東京、そして世界を結び、地域振興や地域の発展を根底に据えた新たな形での国際映画祭の開催を企画している。そして、「SIX」の2名の監督も今年の夏から京都の九条山をベースに制作を行う予定だ。ネット、映像、デジタル、教育、地域、をキーワードに、今年、京都で何かが起きるかも知れない…。